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No.15 スヴェンスカ ダーグブラーデット紙
2002年6月3日付け記事

ダニエル イサクソン君はもうすぐ、論争のまとになっている学校形式のひとつの特殊学校を卒業する。特殊学校は廃止され生徒達は普通学校に統合されるようになるのかが調査検討されている。しかし、ダニエル イサクソ君は特殊学校に通うことができて良かったと思っており、“自分が自分とは違う人間になろうと苦労する必要がなくてよかった。”とのことだ。

特殊学校ではダニエルはありのままでいられる

ダークスーツと、新しい靴に卒業式用の帽子はもう買い整えた。3種類のオープンサンドウッチ ケーキをもう注文ずみだ。 ダニエル イサクソン君は複雑な心境で特殊高等学校の卒業式をもうすぐ迎えようとしている。

今日のお昼の定食はカレー味のポークシチューとパスタだ。 ダニエル イサクソン君は注意深くポークを細く切っている。
“オヤオヤ、これは駄目だ。”といいながら、薄くなりすぎたポークを横に取り除いている。

ダニエル イサクソン君は、エンシェ-デのリンデルパルケンの特殊高等学校のホテルとレストラン プログラムの最終学年生だ。そして、フレミングスバリの警察の職員食堂で高等学校生活最後の実習中で、来週の金曜日には高等学校を卒業する予定だ。 “僕はうちの家族では高等学校を卒業する2人目なので、うれしいです。でも今までずっと通っていた学校を離れて、もう戻れないのだと思うと大変です。”と、ダニエル イサクソン君は語っている。

ダニエルはリンドパルケン高校にとても満足しており、きっと後で“楽しい仲間や大勢の良い人達”がなつかしくなると思っているそうだ。 “学校には気落ちしているような人はいません。この学校の先生達は、こういう学校に通う若者をどう扱ってよいかについての専門教育を受けています。そういう先生達は簡単には見つからないでしょう。”

他の学校に通っているダニエルの友達が特別対応授業があまり得意でない教師のことなど話してくれたそうだ。ダニエルの知り合いの一人の女の子で、その学校の教科書は難しすぎるので、自分にも解る教科書を学校にもっていったが、使わせてもらえなかったそうだ。
“学校行政局に生徒がついてゆけないと苦情を言っていけば、もしかしたら代えてもらえるかも知れないと思います。”と、ダニエルは語っている。
もうそろそろ11時で、最初の昼食を食べるお客様がやってくる時間だ。このレストランに勤務している人達は、知的機能障害のある人か、精神障害のある人達で、2名の職業指導員と一緒に仕事をしている。従業員とお客様との間には、普通の職員用のレストランよりもっと家族的な雰囲気がある。

キャッシャーのスッシーは、お客様からお金を受け取り、口笛をふいているようなお客様には文句を言っている。スッシ-は気球が大好きで、キャッシャーの横には黒いビニールの表紙のついたノートをもっていて、このノートに気球をみるたびに記入している。

警察官の中には自分が見た気球の数を覚えていてくれる人もいる。“ラッセがノキアの気球を4個と、グラッベルとメルセデスをみたよ。”と、警官の一人が、スッシ-のノートに書き込んでくれた。
“もうタップリ休んだんだから、少し野菜をもってきてもいいだろう?”と、警官の一人が冗談がらみでダニエルに話しかけてきたので、ダニエルは素早くサラダをもっと取ってきた。
ダニエルはパイやピザを温めている。ダニエルの職場での指導員のアンキ ソーレンセンさんがダニエルにコーヒーをもっと入れるよう言いつけた。
“11時頃がこんな風に忙しいんです。いろいろなことに気を配るようにしていなければならないんですが、いつもうまくゆくとはかぎらないんです。”と、コーヒーの粉末の入っている袋の口をあけながら、ダニエルは話してくれた。 12時頃には落ち着くので職員にも食事の時間ができる。

次にダニエルにあったのは、卒業をひかえて学校で理論の勉強中だった。 数学の授業には8名の生徒がいるが、皆それぞれのペースで勉強している。ダニエルは数学の教科書の887番の問題をといている最中だ。“お母さんがお誕生日のパーテイ用にクッキーを買いました。マザリン クッキーを26Kr、ケーキを85Kr買いました。合計でいくらお金を使ったでしょうか?”ダニエルは、最初に引き算をしようとしたが、そうじゃなくて足し算だと気づいた。
数学は好きな科目ではないそうだが、スウェーデン語の授業は大好きだそうだ。

“僕の母国語だからもっと勉強したいと思っています。もう20歳なのに解らないスウェーデン語が沢山あるんです。僕はスウェーデン語が得意じゃないかなとも思います。だって、当然出来るはずなのにスペルがわからない言葉があるんです。”と、ダニエルは自分に厳しい。

しかし、ダニエルは語彙が豊富で、普通の20歳の若者の語彙には含まれていないような、仲間意識、仕事、居心地のよさ、なんとかやる、そして 殆どの場合などのような言葉も沢山使っている。ダニエルはちゃんとした言葉が好きで、俗語はつかわないよう十分注意している。高校卒業の成績表ではスウェーデン語ではVG(大変優秀)という評価を受けるだろうし、VGは特殊学校では最高の成績だ。

ダニエルはずっと特殊学校に通った。
“僕には少し知的機能の発達障害があるので、いろいろな分野で援助が必要なのです。僕には軽度の障害があるということは解っていますし、自分で気持ちの整理はつけていますが、なるべく普通の生活をするよう努力しています。”
ダニエルは、ほとんどの場合特殊学校が気に入っているが、精神的に安定していないときには学校が嫌だったこともあったそうだ。

特殊学校の最終学年には、何が一番むいているかを調べるためにいろいろな高校のプログラムを試してみたそうだ。そのなかには、普通学校に統合されている特集高等学校のメデイア プログラムもあったそうだ。
“とんでもない、あそこには行きたくありません。うまくゆきませんでした。僕にはあそこの学校には通えませんでした。”
特殊学校を廃止し、普通学校と統合するという考え方をダニエルは良い考えとは思っていないそうだ。リンデルパルケン学校には82名の生徒がいるが、ダニエルはだいたい全員の名前を知っている。
“小さな学校の方が気持ちが楽です。自分が誰かのふりをして無理をしなくて良いからです。”

FAKTA: 特殊学校の今後が検討される

知的機能発達障害があるので、義務教育学校の教育目標に達しないとみなされる児童は特殊学校に受け入れられる。脳障害のため永久的な知的機能障害があったり、自閉症や自閉症に似た症状のある児童にも同じことが適用される。
2001−02年には14261名の生徒が特殊学校で、5534名が特殊高等学校に通っていた。この数年、特殊学校に通う生徒数が著しく増加した。
評論家達によると、義務教育学校の資源不足のために、本来は特殊学校に通うべきでない生徒達が特殊学校にまわされているとのことだ。それは、たとえば移民者の子供達が特殊学校には圧倒的に多いことからもいえる。もう一つの理由は、場所の統合が進んだので、普通学校と同じ場所に特殊学校があることが多く、特集学校の存在がよく知られるようになったからだ。
特殊学校での生徒教育がどのように行われているかは市自治体により異なる。学校行政局の調査によると、生徒の必要性ではなく学校側の状況などにより教育が決められていることが多いそうだ。普通の義務教育学校と特殊学校の統合は田舎の小さな町に多い。
政府は特殊学校が現状の形式で継続されるか、それとも廃止されるか調査検討することを決めた。

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